俳句

2018/11/30


亡き妻の 手塩にかけし 五月散る


俳句

タワマンや 地蔵向き合う 波はるか

夕焼に メキシカンハット 輝いて

ギンギラの 朝の光に サツキ燃ゆ

葱坊主 赤の広場は 五月晴れ

モスクワの 夜は光り満ち ささめ雪

タワマンや テラスに地蔵の 影長し

春冷えや 七色の噴水 夜空裂き

菜の花や 美女立ち止まる 地蔵かな

精悍に はやぶさ舞いて 藤ゆらす

桜散る 川面を逆上 鮒の影

夜桜に 伸ばす指さき 凍りつき

満開の 桜に重なる 赤リボン

早春の 冷たき風に 涙凍る

バシバシと 鳴り響く波音 冬の海

氷上の 貴婦人滑る マチスかな

雪つもり バス停かすむ 最後尾

公園に 集まりし母子 寒気とばす

大晦日 満員電車は ブラック

暖冬の 落葉ずしりと 竹ほうき

暖冬の 大気を吸いし 紅葉かな

クリスマス ラブリーナイトの 熱き唇(クチ)

干竿に 胴体着陸す 赤トンボ

晩秋の 空に溶け込む 白き月

赤信号 指絡め待つ 落葉かな